『First Love 初恋』第3話ネタバレ感想!運命のナポリタン…空白の20年を埋める、あまりにも優しい再会【徹底考察】

First Love 初恋

【First Love 第3話 の ネタバレ感想!第3話の推しポイント語り】
満島ひかり×佐藤健主演、Netflixシリーズ『First Love 初恋』。第2話で明かされた、恋人・晴道の記憶だけを失ってしまったという衝撃の事実。その残酷な真実を知った上で観る第3話は、二人がすれ違うに至った「事故」の直前の痛ましい記憶と、20年の時を経て訪れた、切なくも温かい「再会」の物語が描かれます。

前回の記事では、八重が晴道の記憶を失ったという、あまりにも悲しい運命の悪戯について考察しました。今回は、その運命が動き出す直前の二人の姿と、時が止まったままの晴道の想いが溢れ出す、涙なしには見られないシーンの数々を徹底解説します。

※本記事は第3話のネタバレを詳細に含みます。未視聴の方はご注意ください。

First Love 第3話 推しポイント①:悲劇の序章…喧嘩別れの真相

なぜ、あの事故は起きてしまったのか。それは、ただの不運ではありませんでした。そこには、遠距離恋愛が生んだ若さゆえの不安と、痛ましい誤解がありました。

【ネタバレ】

  • 2001年、航空学生としての厳しい訓練に明け暮れる晴道(木戸大聖)と、東京で大学生活を送る八重(八木莉可子) 。久しぶりの休暇で上京した晴道は、八重との再会を喜びますが、カフェで彼女の友人・町田(鈴鹿央士)たちと鉢合わせします 。
  • 自衛官である晴道を揶揄し、挑発する町田 。さらに彼の口から、八重が夢だった海外留学を決めたことを初めて聞かされます 。自分に直接話してくれなかったというショックと、町田への苛立ちが爆発した晴道は、ついに手を出してしまいます 。
  • 店を飛び出し、雨が降る中で激しく口論する二人 。「男に媚びてる!」「そんなことするために東京に来たわけ!」と、晴道は心にもない言葉で八重を傷つけ、その場を去ってしまうのでした 。すぐに後悔し、謝罪の電話をかけたその瞬間…晴道は、通りの向こうで頭から血を流して倒れている八重を発見するのです 。

【考察】 この喧嘩のシーン、胸が締め付けられましたね…。大事なことを話してくれない寂しさ、エリート然とした恋敵への嫉妬、そして夢に向かってどんどん遠くへ行ってしまう彼女への焦り。晴道の未熟で、しかし正直すぎる感情が、最悪の形で噴出してしまいました。 そして、事故現場に散らばっていた、真新しいパスポート 。それは、八重が掴もうとしていた未来そのもの。一番に応援してくれると信じていた恋人とのすれ違いが、皮肉にも悲劇の引き金となってしまったのです。晴道が背負い続けた20年間の後悔の重みが、この一連のシーンに凝縮されています。

First Love 第3話 推しポイント②:コインランドリーの再会。20年分の「会いたかった」

第2話のラストで、息子の口から「母です」と紹介されるという、あまりにも残酷な再会を果たした二人。しかし、本当の意味での二人の再会は、静かなコインランドリーで訪れます。

【ネタバレ】

  • 息子の綴から、母(八重)の洗濯機が壊れたと聞き、コインランドリーへ駆けつける晴道 。そこには、洗濯機の故障で途方に暮れ、ベンチで眠ってしまっている八重の姿がありました 。
  • 晴道は、彼女を起こさず、ただ静かに傍に座ります 。店内の別の客の視線に気づくと、眠る彼女の足元にそっと自分のカーディガンをかけ、背中で守るように座り直すのでした 。
  • 目を覚ました八重と、ついに言葉を交わした晴道は、「これくらい」と、彼女のアパートで洗濯機を修理することを申し出ます 。

【考察】 このコインランドリーのシーンは、本作屈指の名場面ではないでしょうか。眠っている八重を見つめる晴道の眼差し…。そこには、驚き、愛おしさ、切なさ、そして20年間言えなかった「会いたかった」という全ての想いが込められていました。カーディガンをかけてあげる一連の行動は、20年前に守れなかった後悔を埋めるかのような、彼の無意識の贖罪に見えて涙を誘います。佐藤健さんの、セリフではなく表情と佇まいだけで全てを語る演技が、晴道の心の奥底の叫びを見事に表現していました。

First Love 第3話 推しポイント③:運命のナポリタン。君が忘れた「最初の告白」

「はじめまして」から始まった、20年越しの二人きりの時間。その食卓には、あまりにも切なく、そして運命的すぎる思い出の味が並びました。

【ネタバレ】

  • 洗濯機を見事に直してくれたお礼に、晴道を夕食に誘う八重 。「好きな食べ物って何ですか?」と尋ねる八重に、晴道は一瞬、時が止まったかのような表情で「…ナポリタンすかね」と答えます 。食卓に出されたナポリタンを一口食べた彼は、万感の想いを込めて「めっちゃうまいです」と呟くのでした 。

【考察】 この「好きな食べ物って何ですか?」という八重の問い。この言葉が持つ、あまりにも重い意味を、私たちは知っています。

第1話で描かれた、不器用で愛おしい恋のセオリー。「好きな食べ物を聞くことは、『あなたが好き』という告白を意味する」。このセオリーに則って、最初に勇気を振り絞ったのは、他ならぬ八重の方でした。「じゃあ並木くんの好きな食べ物なんですか」と、彼女は晴道に想いを伝えたのです。しかし、恋愛指南をした張本人である晴道は、その意味に気づかず、ただ「ナポリタン」と答えてしまうという、切ないすれ違いがありましたね。

そして20年後。記憶を失った八重が、何の気なしに、かつて自分が人生で初めての告白に使ったのと全く同じ言葉を、晴道に問いかけるのです。

晴道の胸には、一体どんな想いが去来したでしょうか。目の前の女性は、20年前に自分に「好きだ」と伝えてくれた、愛しい人。そして自分は、その想いに気づかなかった、愚かな男。その思い出の言葉が、今はただの儀礼的な質問として響く。彼の沈黙と、「ナポリタン」という答えには、喜びと悲しみ、愛おしさと後悔、その全てが凝縮されていたに違いありません。

さらに言えば、彼女が作ってくれたのは、彼が「好き」だと答えたナポリタンです。八重は無意識のうちに、かつて自分がした告白への「答え」を、20年の時を経て料理という形で晴道に差し出しているのです。

彼が食べたのは、単なるパスタではありません。それは、君からの最初の告白であり、それに気づかなかった僕の答えであり、そして何も知らない君が、今また僕のために作ってくれた優しさの味。この一皿が、二人の失われた、そして再び始まる物語のすべてを物語っているのです。

First Love 第3話 推しポイント④:空白のパスポートと新しい道

物語は、現在の二人が置かれた状況の対比を、残酷なまでに映し出します。

【ネタバレ】

  • 晴道には、パイロットへの再挑戦を後押ししてくれる婚約者の恒美(夏帆)がいます 。一方、八重は、かつての自分がそうであったように、世界へ羽ばたこうとするダンサーの詩(うた)を、タクシーで空港まで送り届けます 。その後、自宅で戸棚の奥から取り出した自身の古いパスポートを見つめる八重 。どのページも真っ白なままでした 。

【考察】 ここでの対比が、本当に見事です。恒美という存在が、晴道には「前に進むべき未来」があることを示唆しています。対して、八重が見つめる「空白のパスポート」は、事故によって奪われた「あり得たはずの未来」の象徴。夢を追いかける若者を乗せて走るタクシードライバーという現在の職業も、彼女が夢の途中で立ち止まってしまったことを暗示しているようで、胸が苦しくなります。

【まとめ】

第3話では、二人が離ればなれになった日の痛ましい記憶と、20年の時を経て果たされた奇跡のような再会が描かれました。記憶はないけれど、確かに何かが共鳴し合う二人。運命は、再び彼らを強く引き寄せようとしています。

この先、物語はどのように展開していくのでしょうか。

  • この運命的な再会をきっかけに、八重の失われた記憶が戻ることはあるのか?
  • 「この音聞くと妙に落ち着くんです」と飛行機の音について語る八重に、元・航空学生の晴道は何を感じたのか?
  • 八重が離婚に至った、詳しい経緯とはどのようなものだったのか?
  • 婚約者のいる晴道は、この再会をどう受け止め、どう行動していくのか?

止まっていた歯車が、静かに、しかし確かに動き始めました。この再会が、二人の運命にどのような変化をもたらすのか。固唾を飲んで見守りましょう。

第4話のネタバレ感想はこちら

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